カウンセラーのメッセージ

2021年(令和 3年)2月20日

コロナで始まりコロナで終わった2020年でしたが、新しい年(2021年)もコロナ禍の中で始まりました。外出自粛ムードの中、これをお読みの方はどのような日々をお過ごしでしょうか。
気候の方は、日本海側では寒気の南下によって大雪になった所もあり、私の住む中国地方でも、山間部は久しぶりの大雪に見舞われました。しかし、時折春のような暖かい日もあり、変わりやすい天候です。寒暖の差が年毎に大きくなってきているように感じます。毎日天気予報を見て、体調管理には充分に気をつけたいと思います。

さて、昨年の秋に政府が主導して始めた“GoToトラベル”や“GoToイート”の実施と並行するように、新型コロナウィルスの感染が広がり、北海道や沖縄の離島でも感染者が出たというのに、菅義偉(すが よしひで)首相は「GoToトラベルの実施によって感染が広がったというエビデンス(科学的根拠)は無い」と開き直っていました。
しかし、昨年の12月後半になって感染者の急激な増加が起こり、医療現場が大変な状況になって、さすがにこのままではまずいと思ったのでしょう。やっとGoToトラベルやGoToイートの一時休止を決めました。

そもそも、これまでに経験したことのない状況なので「エビデンス」などあろうはずがありません。なので、あの首相の言葉は、政府の方針が間違っていたということを認めないための、ていの良い言い訳にしか聞こえませんでした。
GoToトラベルが始まった当初は感染の第2波が一旦落ち着いてはいましたが、人の移動が増え外食する人が増えれば感染が広がると専門家が指摘していたにも関わらず、それに逆行するような働きかけを政府主導でしたことは間違っていたと思います。

そもそも旅行は政府がしろと言うからするというものではないはずです。旅行がしたいから、行きたい所があるからするものであって、個人の自由意思で行うものでしょう。だから、外出自粛をやめれば良いだけのことです。「自由に行動してもいいですよ」「感染予防に気をつけていれば大丈夫ですよ」と言えば良いのです。(そうは言えない状況でしたが……)
そうは言っても、観光業や外食産業に従事している人たちにとっては大きな痛手になっていますから、経営者や従業員を含めて本当に困っている人たちを直接支援するために、国の予算を使うべきだと思います。

1年ほど前までは、東京オリンピック・パラリンピックの開催やインバウンド(訪日外国人)の増加を見込んで準備をし、設備投資をしていた業者もたくさんあったことでしょう。それが、オリンピックは延期になり(現時点では開催も不確定ですが)、インバウンドも8割以上の減になっているようですから、堪(たま)ったものではないでしょう。

振り返ってみると、東京オリ・パラの招致は、当時の首相だった安倍晋三氏が積極的にロビー活動などを展開し(本来は都市開催であるはずなのですが)、当時の東京都知事だった猪瀬直樹氏(違法献金問題で辞任)や、今回女性蔑視発言で辞任した森喜朗氏などと協力して実現に漕ぎつけたものです。
その時アピールの中で、「福島原発事故の処理は適切に行われており、十分に政府のコントロール下にある」「原発事故に打ち勝った証としての復興五輪にしたい」というような根拠のない言葉を自信たっぷりに語っていました。また、予算も少なめに提示してIOC(国際オリンピック委員会)に働きかけて、真夏の蒸し暑い東京での開催が決定しました。(前回1964年の東京オリンピックは10月に行われたので、ちょうど気候の良い頃でした)
そして、2016年のリオデジャネイロ・オリンピックの最終日には、わざわざ遠くのリオデジャネイロまで赴いて、『ドラえもん』の“どこでもドア”風の演出で登場し、パフォーマンスを披露しました。

日本経済の回復という大義のもと、なりふり構わぬ言動に『この人に任せておいて大丈夫なのか?』という不安もありましたが、官僚の人事権を内閣が握って反対論を抑え込み、強引に計画を進めていきました。
それが、新型コロナのパンデミックによって打ち壊されたのです。アベノミクスを始め、すべての予定が行き詰まり、打つ手が無くなって、さらに自らが国会で話した嘘が暴かれて検察庁から起訴されるかもしれないという状況になり、自ら首相の座を退きました。

少子高齢化、労働力不足、社会保障制度に必要な資金の調達、膨れ上がる医療費の問題、異常気象による自然災害、リニアモーターカーの工事、それらに加えて、コロナ禍によって赤字になっている企業や経営者への補償、収入減や失業によって経済的に困窮している人たちの救済など、問題は山積みですが、お金のかかる事柄が多いのは事実です。

現在の状況は、1年前には想像もつかなかったような状況ですが、日本中はおろか世界中が突然ウィルスに襲われたことを考えると、戦時下の状況に似ているのかも知れません。戦争経験者もそのように言っておられます。ですから、ある1つの意見によってものごとを決めるのは危険だと思われます。状況に応じて臨機応変に、専門家の意見を取り入れながら、よく話し合ってかつ迅速に事を進めるという高度な政治的判断が要求されます。

最も被害を受けているのは、社会の底辺に生きている人たちです。
特に、非正規雇用で仕事が無くなり収入が途絶えた人たち、外国から来ている技能実習生などは、家賃や水道光熱費が払えなくなり、食事を切りつめても足りず、蛙(かえる)を捕まえて食べたり、路上生活を余儀なくされている人もいるようです。そして、生きるために犯罪に手を染める人や、将来に絶望して自死する人が出てきています。
若者の自殺、特に若い女性(非正規雇用が多い)の自殺が増えているという異常事態が起きているようです。
企業や経営者を守ることはもちろん必要ですが、たちまち今日生きることに困っている人を救うことが最優先でしょう。生活に困った時、ここに行けば支援が得られるという窓口を作り、実際に支援が受けられるような社会的なシステムの構築が急がれます。

自殺の増加については思い出すことがあります。2001年に首相となった小泉純一郎氏(現在の環境大臣である小泉進次郎氏の父)は、それまで公社だった郵便局の民営化を強硬に実施しようと奮闘し(反対派を自民党から追い出してまで)、新自由主義の旗印のもと規制緩和を次々に実施しました。
その流れの中で、企業や雇用主側に都合の良い制度である派遣労働の拡大や非正規雇用者の増大への道が開かれていきました。企業が必要とする時だけ働き、仕事が無くなったら別の職場に移ってもらう。短期間の契約で、昇給やボーナスが無かったり、あっても雀の涙ほどで、生活するのがやっと、結婚などできないという若い人たちが増えていきました。
その結果、少子化に歯止めがかからなくなりました。

また、リストラによって正社員の職を失った40代・50代の人たちの自殺が急増しました。それ以前は2万人位だった年間の自殺者が、一気に3万人を超えたのです。
そのことを国会で野党から追及された時の小泉氏の答弁が印象に残っています。ちょうど私はその時の国会中継をテレビの生放送で見ていたのですが、小泉氏は神妙な顔でこう言いました。
「改革に犠牲は付き物です。今しばらくのご辛抱をお願いします。」
それを聞いた私は、この人は人間を経済活動の道具のように考えているのか? 自分は殿様のような存在で、この国のリーダーとしてこの国を守っている、先進国としての国益を保つためには、多少の人命の喪失(武士の時代で言えば足軽の戦死?)はやむを得ないなどと考えているのか? という疑念を持ちました。
しかも、その答弁に対して野党議員もそれ以上突っ込まなかったのが更に意外で、国会議員に対して失望を感じました。

今回のコロナ禍においても、我々一般の住民には外出や外食の自粛を呼びかけながら、一部の議員は多人数で外食をしている始末です。もっとも彼らは交際費などを公費で賄(まかな)えるので、贔屓(ひいき)の飲食店に恵んであげているつもりだったのかも知れません。
それとも彼らは、自分たちは特権階級で、住民に対して要請したことに自分たちは従わなくても良いと思っているのでしょうか? 一般の国民や住民(その中には外国籍の人もいます)を、自分たちよりも下に見ているのでしょうか?
今でも身分制は残っているのでしょうか?

そもそも、議員は我々国民が選んだ代表で、我々の生活を守るために働いてくれることを期待されています。そして、住民に奉仕する立場であり、困っている住民がいたら助けるべきなのです。
その責任は大きく、仕事量も多く多忙だからこそ、それに見合った給与が保証されているのです。多額のお金(住民が払っている税金)の使い道を決められるからといって、特権意識を持ってほしくありません。

最後に、かつて『世界で最も貧しい大統領』として有名だった元ウルグアイ大統領ホセ・ムヒカ氏の言葉をご紹介したいと思います。

「我々の前に立つ巨大な危機問題は、環境危機ではありません。政治的な危機問題なのです。
現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。
私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるために、この地球にやってきたのです。」

「 命よりも高価なものは存在しません。」

「余裕のある人には弱者を助ける義務があります。」

「お金があまりにも好きな人たちは、政治の世界から出て行ってもらう必要があります。」

(『ホセ・ムヒカの言葉』佐藤美由紀著・双葉社 より引用 )

核心を突いた言葉で、その通りだなと思います。


ストレスの多い現代社会の中では、悩みを語り合う場所や時間が持てないで、1人で悩んでいる人が多くなりました。悩みや生き辛さは多くの方々が抱えておられることでしょう。
自分の悩みを誰かに相談したり、カウンセリングを受けたり、自助グループに参加したりする事は、決して恥ずかしい事ではなく、むしろ必要で、問題解決への近道である場合が多いのです。
また、今の自分に変化を与えて、より良い人生、活き活きとした人生を歩むためにも、カウンセリングや自助グループは有効です。

このホームページには、「カウンセリング」および「セラピー」の説明、「カウンセリングの内容」の紹介、「自助グループ」のご案内などが載せてありますので、カウンセリングや自助グループについて全く知らない方でも、概略についてはご理解いただけると思います。
また、「カウンセラーの紹介」もプロフィールに載せていますので、興味がある方はご覧ください。

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