カウンセラーのメッセージ

2021年(令和 3年)9月20日

東京オリンピック・パラリンピックが終わり、コロナ感染者もだいぶ減ってきています。

競技に参加した選手たちは、自分たちにできる限りのパフォーマンスをしたのであって、感動する場面もあり、それなりに良かったと思います。選手たちを非難するつもりは全くありません。

しかし、専門家の予想通り、パラリンピック開催中にコロナの感染者数がピークとなり、全国で1日に2万人を越えました。
現在は4千人を切っていますが、一時は医療現場も逼迫(ひっぱく)した状態になり、自宅待機中に亡くなった方がこれまでに200人以上おられるそうです。

9月20日現在も、緊急事態宣言が19の都道府県に出されており、ここ広島県も9月30日まで延長して発令中です。

 

オリ・パラは多くの会場で無観客で実施され、メイン会場の国立競技場も基本、無観客でした。
しかし、『せっかく造ったのだから少しは使わないと』と考えたのかどうかは知りませんが、小中学生にパラリンピックを団体で観戦させるということをしました。
教育的配慮からという大義名分で「学校連携観戦プログラム」と銘打って実施されましたが、辞退した自治体や学校も多く、最終的に新宿区、渋谷区、杉並区の3区と八王子市の計119校が希望者を募って参加したようです。

戦時中の「学徒動員」と同じ発想ではないかという感想を言われた方が何人かおられました。
なるほど、『言い得て妙だ』と妙に納得しました。

 

ところで、今回の五輪騒動で分かったことは、大会の開催に際して巨額の資金が動くということです。

まず、施設設備の整備にかなりの費用がかかります。
メイン会場(新国立競技場)に関しては、最初の有名デザイナー(ザハ・ハディッド氏)の設計では費用がかかり過ぎる(2,000億円以上)ということで変更になり、結局現在のスタジアムになったのですが、それでも1,569億円を要したとのことです。

他にも、競技会場の整備や人件費など、膨大な費用がかかります。
総額で言うと、招致段階では7,340億円だったのが、2019年12月時点で2倍近い1兆3,500億円に増加し、さらにコロナ禍による1年延期と感染防止対策で2,940億円が加わって、現在のところ1兆6,440億円に上るとされています。

その内、国と東京都が約9,000億円を負担することが決まっているそうです。つまり、国民の納める血税が投入されるわけです。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/101831 より )

聖火リレーにもかなりの費用を要したのですが、コロナ感染の広がりによって公道でのリレーを中止にした都市がかなりの数ありました。

ナチスドイツ支配下のベルリンでオリンピックが開催された時に、国威発揚と大会を盛り上げるために(軍事目的とも言われていますが)始まった聖火リレーを、今コロナ感染が拡大している日本において実施する意味と目的は何だったのでしょうか?

 

IOC(国際オリンピック委員会)は一貫して大会の開催を主張していました。
IOCの『最古参委員』という肩書を持つディック・パウンド氏は、「ハルマゲドン(世界の終末)にでも見舞われない限り、東京五輪は計画通りに開催される」と述べて、物議を醸しました。同氏は、オリンピックのマーケティングの礎を作った人だとのことです。

ロサンゼルス五輪(1984年)以降、テレビ放映権料がグンと上がったのですが、IOC側で交渉の先頭に立っていたのが彼です。
アメリカのNBC(米三大テレビネットワークの1つ)やヨーロッパの放送連盟、日本のNHKといった各国のテレビ関係者と対峙して、テレビ放映権料をそれまでの100倍にも膨らませました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3390fb6ad2e54ea66e0a88f2a97f29c19f022616 より )

また、IOCは2032年までの夏冬6大会における米国内での放映権について、米NBCと76億5千万ドル(約7,780億円=当時)の契約を結ぶなど、収入の約7割をテレビ放映権料から得ています。たとえ無観客でも、大会が開かれれば放映権料を受け取ることができます。
ちなみに、NHKの放映権料は約660億円とのことです。

そして、IOCは支出の約9割を、アスリート育成や世界各国の五輪委員会や競技団体への分配に使っているそうです。
仮に大会が中止になり、放映権料を払い戻すことになれば、特にマイナー競技の団体は分配金が減って資金難に陥り、競技を続けられなくなる可能性があります。

 

そして、東京都との関係では、IOCは大会組織委員会に850億円の拠出金を支払っています。
しかし、大会が中止となって放送局側が放映権料の返還を求めてきた場合、組織委員会は拠出金をIOCに払い戻さなければなりません。
大会が中止になった場合、IOCだけでなく組織委員会や東京都も大きな損失を被る可能性があったわけです。
https://www.asahi.com/articles/ASP5B4VPFP5BUTQP00Q.html より )

おまけに、海外からの観戦者は受け入れていませんから、入場料や宿泊施設などに入るはずだった収入も見込めません。
全体として多額の赤字となることは、避けられませんでした。

 

平和の祭典であり国際親善の場であるはずの五輪でさえ、資本主義経済の中に組み込まれていて、戦争以外の理由で(コロナ感染でも人が死ぬ可能性はあるのですが)中止というわけにはいかなかったのでしょう。

結果として、命よりも経済的利益が優先されたことになります。

 

 

資本主義経済がもたらしたもう1つの問題、地球温暖化の影響が、年々顕著になってきています。

今年も、全国各地で大雨が降り、静岡県の熱海では土砂崩れによって死者や行方不明者が出ました。
ここ中国地方でも、毎年のようにどこかで大雨が降り、河川の氾濫や土砂崩れなどが発生しています。

地球全体が温暖化し、海水の温度も上がり、大気中の水蒸気量が増えているので、人類が今のままの経済活動を続けている限りは止まらない自然現象だと思われます。

 

今年、カナダでは、南西部のリットンという町で観測史上最高の49.6度を観測し、これまでの最高気温を5度近く上回ったとのことです。
カナダはもともと涼しい気候なので、多くの家庭ではエアコンを取り付けておらず、リットンのあるブリティッシュコロンビア州では5日間で300人以上が熱中症で死亡したと報じられました。

そして、南に隣接するアメリカ北西部のワシントン州やオレゴン州でも、観測史上の最高気温を更新したとのことです。

熱波は生態系にも大きな影響を及ぼしており、カナダのブリティッシュコロンビア州の海岸では、大量のムール貝などが死んだ状態で見つかりました。

日本を含む東アジアでも、気候変動によって自然災害が増え、陸上や海の生態系が変わってきています。

それだけではなく、農林水産業を始めとした収益の悪化や損害保険料の上昇、貿易ルートの阻害などによって企業活動にも影響を与え始めているようです。
専門家への聞き取り調査によると、2030年代には温暖化による生態系破壊が最も大きな脅威となり、健康被害や水資源のリスクなども増大するとのことです。

 

 

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は今年4月、2010~19年の10年間に平均して年2,150万人が気象災害によって居住地を追われたとのデータを公表しました。
気象災害とは、熱波や大洪水、干ばつ、食糧不足などです。

2019年には気象災害によって2,390万人が居住地を追われ、紛争を原因とする人の2倍を超えたとのことです。
これらの人々は「気候難民」と呼ばれ、これからも増え続けていく可能性があります。

また、温暖化による海面上昇も続いており、今世紀末には1mを超えるとされています。

国連の気候変動に関する政府間パネル(ICPP)などによると、海面上昇のリスクが高い沿岸地域の人口は過去30年間で16億人から26億人に増加し、その90%が貧しい発展途上国や小さな島国の人たちで、海面上昇が多くの気候難民発生につながる、との懸念が高まっているそうです。
( 7月13日付・毎日新聞朝刊より )

 

話は少し変わりますが、難民と言えば、日本の難民認定率は極端に低く、2019年は0.4%でした。
難民として認められないまま、本国に帰ることもできず日本に残留する人たちは出入国在留管理局(入管)の施設に収容され、囚人のような扱いを受けています。

今年3月には、名古屋市の入管に収容中のスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が、体調不良を訴えたにも関わらず治療を受けさせてもらえずに死亡しました。囚人よりひどい扱いだと思います。
現在、家族が来日して真相究明のための訴訟を起こし、日本国政府を相手に係争中です。

収容されている人で収容が一時的に免除される「仮放免」になる人もいますが、働くことは認められず、居住している県から出ることも入管の許可がないとできません。
しかも健康保険への加入も認められていないので、病気になっても支援がないと病院に行くことができません。
支援者がいないと生きていくことができないのです。

また、家族に連れられて幼少期に来日したり、日本で生まれたりした子どもは、難民として認められないまま成長し、教育の機会も制限され、働くこともできません。

ちなみに、ヨーロッパでは難民認定率が2桁で、非正規滞在者に救済措置を与える考えが広がっているとのことです。

日本は、今の状況を変えなくていいのでしょうか?
少子高齢化で、労働力不足を技能実習生などの外国人で補っていながら、難民を受け入れない、就労を認めないというシステムは、排他的・非人道的と言われても仕方がないように思います。

 

現在、私たち日本人も海外との交流や海外からの支援を受けて生活しています。
また、外国籍の人が結婚や仕事で日本に来て、帰化し、日本人として暮らしている人たちも増えています。

同じ人間として、民族や国籍に関わらず、命(Life)を大切にしてほしいと痛切に思います。

 

 


ストレスの多い現代社会の中では、悩みを語り合う場所や時間が持てないで、1人で悩んでいる人が多くなりました。悩みや生き辛さは多くの方々が抱えておられることでしょう。
自分の悩みを誰かに相談したり、カウンセリングを受けたり、自助グループに参加したりする事は、決して恥ずかしい事ではなく、むしろ必要で、問題解決への近道である場合が多いのです。
また、今の自分に変化を与えて、より良い人生、活き活きとした人生を歩むためにも、カウンセリングや自助グループは有効です。

このホームページには、「カウンセリング」および「セラピー」の説明、「カウンセリングの内容」の紹介、「自助グループ」のご案内などが載せてありますので、カウンセリングや自助グループについて全く知らない方でも、概略についてはご理解いただけると思います。
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