カウンセリングの方法

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「カウンセリング」って、どんなことをするんだろう?
何を話せばいいんだろう? どんなことを訊かれるんだろう?
初めての方は、そんな不安をお持ちかも知れません。

駅家セラピールームでは、以下のような手順でカウンセリングを行なっています。

①電話かメールでカウンセリングの日時を予約していただきます。

②予約当日、初回は「問診票」に必要事項を御記入いただき、次のようなことをお聴きします。
・どんなことで悩んでおられるのか。
・これまでの経緯。
・必要があれば、生い立ち、家族関係、友人関係。
・これも必要があれば、学校や職場での人間関係。
・何を変えたいか、またはどういう自分になりたいのか。
・カウンセリングに期待しておられること。
・その他、それぞれの状況に応じてお聴きします。

③秘密は厳守します。話したくないことは話さなくても大丈夫です。

④お話をよくお聴きし、様々な観点から根本的な問題を把握します。

⑤カウンセリングの目標とカウンセリングの方法を決めます。

⑥相談者の方に応じて、1回当たり30~90分でカウンセリングを実施していきます。

⑦回数については、1回で終了する方もおられますし、3~5回の方、10回位で終わる方、それ以上の方など、問題の内容によって様々です。平均して10回位でしょうか。

⑧カウンセリングの頻度は、これも問題の内容によりますが、週に1回、2週間に1回、月に1回、2か月に1回などです。

⑨カウンセリングの目標を達成できた、あるいは必要としなくなったと思われたら、終了します。

⑩以上です。御不明な点がありましたら遠慮なく質問してください。


カウンセリングは教育の分野から生まれ、セラピー(心理療法)は精神病理の分野から生まれたという歴史の違いがありますが、今日では同じような意味に用いる事が多いようです。その定義と内容について、以下に記しておきます。

カウンセリングとは?

1. 適応上の問題を理解し、解決することができるように、他の人がその援助につとめるというような関係を言う。〔イングリッシュ(English,H.B)他〕

2. 自分1人では向き合う事ができない問題で悩まされている個人と、訓練と経験とによって、他人に個人的障害の解決が可能となるように援助できる資格をそなえた専門家との間の一対一の関係において生起する過程である。〔ハーン(Harn,M.B.)他〕

3. 2人の人の間の社会的学習の相互作用である。相談の機能は、クライアントが自分のあるがままの姿を理解し、受容し、この自己知覚に照らし、自己の可能性の実現の援助をめざす。その際必要ならば、クライアントの態度、見方や行動を改めたり修正したりする事も行なう。
〔マクゴウワン(McGowan,J.F.)他〕


セラピー(カウンセリング)の方法

セラピー(Therapy)という言葉は「癒し」という意味あいが強く、カウンセリングは「問題解決」「成長を促す援助」「自己実現の促進」といったことが目標とされる場合が多いが、実際には重複した意味で用いられることが多い。

セラピーの目指すところは、セラピスト(カウンセラー)との対人関係を介して、クライアント(相談者)の「認知」・「行動」・「感情」・「身体感覚」に変化を起こさせ、症状や問題行動を軽減することである。その方法は、言語的、非言語的、芸術療法などの道具を生かした介入など、多岐に渡る。

また、個人を対象とするものから、夫婦・家族・集団を対象とするものまで、さまざまな方法がある。

次に、具体的なセラピーの方法について、概略をご説明します。多くは、ヨーロッパやアメリカで考案された理論および方法ですが、近年は日本にもかなり普及してきています。
また、森田療法や内観療法のように、日本人によって生み出されて世界に知られるようになったものもあります。

以下にご紹介するのは、私自身が取り入れているもので、「来談者中心療法」・「認知行動療法」・「交流分析」・「ハコミセラピー」・「インナーチャイルドワーク」・「NLP(神経言語プログラミング)」・「森田療法」・「絵画療法」 などです。

来談者中心療法(Client-Centered Therapy)

カール・ロジャーズ(Rogers,C.R. 1902-1987)によって始められました。

それまでの分析的な精神療法とは違って、相談者自身の内にある力を引き出し、自己実現の支援をしていくというアプローチです。無条件の肯定的関心、共感的理解、自己一致というカウンセラーの態度が大事にされます。

後年ロジャーズは、人と人との出会いによる変化や成長を重要視して「エンカウンター・グループ」を始めました。そして、その活動を通して世界平和の実現を目指しました。それに伴い、来談者中心療法から人間中心アプローチ(Pereson-Centered Approach:PCA)へと名称が変更されました。

認知療法(Congnitive Therapy:CT)

アーロン・ベック(Beck,A.T.1921-)によって始められた、短期精神療法の一種です。

現実の認知の歪みに焦点を当てることによって、抑うつ感やパニック障害などの症状の改善を目的とします。また、ストレス状況における情緒のコントロールや行動への働きかけなどストレス・マネジメントにも有用であることから、職場のメンタルヘルスにも応用可能なアプローチです。

認知行動療法の1つです。

論理療法(Rational Emotive〔Behavioral〕Therapy:RET)

アルバート・エリス(Ellis,A. Harper,R.A. 1913-2007)によって始められました。

合理情動療法あるいは論理情動療法とも訳されています。1993年に、エリス自身が行動〔Behavior〕の文字を加えて、合理情動行動療法(REBT)と称しています。

ある出来事(Activating event:A)に続いてある感情や行動という結果(Consequence:C)が生じた場合、その出来事の解釈に、クライアントの持っている信念(Belief:B)が影響していると考えます。(ABC理論)。それが非合理的な信念であれば、合理的な信念に替えていきます。それによって、感情や行動も合理的なものに変化するわけです。

認知行動療法の1つです。

交流分析(Transactional Analysis:TA)

アメリカの精神科医エリック・バーン(Berne,E. 1910-1970)によって始められました。

「互いに反応し合っている人々の間で行なわれている交流を分析すること」を目的としています。対人関係上の問題を解決するのに役立ちます。「精神分析の口語版」とも言われていますが、無意識は扱わず、「今・ここで」を重視します。また、自己分析と集団療法を原則とします。

認知行動療法と共通する部分が多いと言われています。

ハコミセラピー(Hakomi Therapy)

アメリカのセラピスト、ロン・クルツ(Ron Kurutz 1970年代-2011)によって始められました。

「ハコミ」とはアメリカの先住民ホピ族の言葉で「あなたは何者ですか」という意味です。様々な身体に注目する療法(バイオエナジェティクス、ゲシュタルトなど)やシステム理論、東洋の思想(老子、仏陀)などから影響を受けています。

安心・安全な環境の中でマインドフルネスな状態を保ちながら、抑圧されている感情を解放し、コア・マテリアル(信念)に歪みがあればそれを修正していきます。マインドフルネスとは、心がリラックスしていて解放され、今の自分の状態を受け入れ認めていて、潜在意識につながりやすくなっている状態のことです。

相談者の持っている力を最大限に用い、無理をしないで自然な回復を促します。

インナーチャイルド・ワーク(Inner Child Work)

アメリカの病院のソーシャル・ワーカーだったクラウディア・ブラック(Claudia Black, 1970年代)らが、アルコールや薬物依存症者の子ども達の援助をしていく中で生み出した方法です。

依存症者のうち、小さな子ども達を「ヤング・チルドレン」、10代の子ども達を「ティーンエイジ・チルドレン」、そして大人になった人達を「アダルト・チルドレン」と名づけ、それぞれのグループにプログラムを提供しました。これがアダルト・チャイルドという言葉が生まれた背景です。つまり、アダルト・チャイルドとは「問題のある状況の中を一生懸命生き抜いて大人になった人」という意味です。

そして、アダルト・チルドレンの人達が、子ども時代に傷付き、生き延びるために身に付けた防衛反応によって苦しめられている自分を癒し、成長し直すために考え出されたアプローチが「インナーチャイルド・ワーク」です。

イメージを用いて、自分自身の癒しや育て直しを行ないます。

神経言語プログラミング(Neuro-Linguistic Programming:NLP)

リチャード・バンドラーとジョン・グリンダー(Bandler,R. 1950- & Grinder,J. 1940-)によって開発されました。

ゲシュタルト療法の創始者フリッツ・パールズ、家族療法のヴァージニア・サティア、催眠療法のミルトン・エリクソンらのカウンセリングを研究して、効果的なコミュニケーション、個人の変容、学習の促進などについてのパターンを分析し、開発された心理療法です。

イメージの力を使ったり、身体感覚に注目したり、各人が潜在的に持っている力(リソース)を引き出したりする事によって、思考・感覚・行動の変化を促していきます。

応用範囲としては、医療・カウンセリング・教育・ビジネス・スポーツなど多岐に渡っています。

森田療法

森田正馬(1874-1938)によって始められた神経症の精神療法で、日本オリジナルの精神療法の代表的なものの1つです。

不安や緊張があるのは「より良く生きたい」(生の欲望)という向上心があるからこそであって、それはそのままで良いと考えます。「気分や感情をコントロールして、不安や緊張を無くさなければならない」と思うから、かえって気分・感情に囚われて不安や緊張が強まり、悪循環に陥る事になる、と森田博士は考えました。

森田療法では、こうした「囚われ」を打破するために、「気分本位」から「目的本位」への変化を目指します。不安や緊張は「あるがまま」に、心身の不調を感じながらも、為すべき事を実行していくように促します。そして、不安や緊張の背後にある「生の欲望」を、建設的な方向に発揮できるよう援助していきます。

森田理論を土台とした自助グループ「生活の発見会」(集談会)が、全国各地にあります。

箱庭療法

ローエンフェルド(Lowenfeld,M. 1890-1973)の世界技法(World technique)を、カルフ(Kalff,D.)がユング(Jung,C. 1875-1961)の理論をベースに発展させた心理療法です。

砂の入った木箱と色々な模型や人形が用意され、クライアント(来談者)は砂で山などの自由な形を作り、その上に模型や人形を自由に並べていきます。遊び的な要素と構成的な要素があって、言葉では言い尽くせないような感情の表現ができ、クライアントの心的変化が促進されます。子どもの遊戯療法の中で用いられたり、大人の場合は言語的なやりとりに行き詰まったような場合に用います。

日本には、河合隼雄が1965年に紹介し、以後広く用いられています。

絵画療法

芸術療法の一種で、その代表的なものの1つです。

クライアント(来談者)が、自分の問題について言葉にするのが難しい場合のカウンセリングやコミュニケーションの促進に、絵を描く事などの自己表現は有効です。

絵という媒介を通して、クライアントの心理状態に対する理解や気付きと、クライアントの心理的変化がもたらされます。

内容によって、人物画、樹木画、家族画、風景構成法(日本の中井久夫が開発)、枠づけ法、自由画、などに分類できます。

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